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交通事故によるトラブルは弁護士選びが非常に重要です。しかし、ほとんどの人が弁護士に依頼した経験がありません。交通事故に強い弁護士が周りにいる方は少ないため、自分で弁護士を探すよりも知り合いの紹介の方が安心できると思う方は多いです。

ただ、弁護士を探すときは、できるだけ知り合いからの紹介は避けるべきです。それは、思ったような結果が得られそうにないときに、弁護士を変えにくいからです。知り合いとの付き合いもあるため、弁護士に対して不満があったとしても言えないことが多いので注意が必要です。

ここでは、知り合いの弁護士に依頼したときのトラブルになるリスクを解説していきます。

弁護士選びで知っておくべきこと

交通事故によるケガが長引いたとき、通院期間や賠償額がスムーズに決まることはまずありません。そこで弁護士に依頼すれば、被害者(あなた)にとって強い味方になることは間違いありません。

しかし、弁護士の選び方を間違えると、本来得られた賠償額よりも少ない慰謝料になるリスクもあるのです。依頼した弁護士が何もしないで動かなかったり、打ち合わせをしっかりしてくれなかったりと、頼りない弁護士が数多くいるのが実際のところです。

泣き寝入りしないためにも、まずは以下のように弁護士について知っておくべきことがあります。

弁護士にも得意分野がある

「弁護士」という言葉を聞くと、法律に関しては何でも知っていると思ってしまいがちです。たしかに弁護士の資格を取得している時点で飛び抜けた頭脳を持っています。しかし、弁護士であっても全ての法律を把握することは難しいのです。

病院でも内科・皮膚科・眼科などというように、専門分野を持つ医師がほとんどです。特定の分野に詳しくなることで、医師はより的確な判断を行えるようになるのです。同じように遺産相続が得意な弁護士もいれば、離婚問題に強い弁護士もいるのです。このように、弁護士によってそれぞれ得意分野が異ります。

交通事故について相談したい場合、交通事故に詳しい弁護士でなければ被害者にとってメリットはほとんどありません。交通事故に強い弁護士を選ばなくては、適切な通院期間や後遺障害の認定を得ることが難しいのです。

知り合いの弁護士に相談したあとは他の弁護士に依頼しにくい

交通事故被害に遭ったとき、事故経験のある家族や友人が弁護士を紹介してくれることがあります。しかし、交通事故トラブルを解決しようとする際、知り合いからの紹介で弁護士に依頼するのはあまりお勧めできません。

優良弁護士を探すとき、複数の弁護士に相談することはよくあります。その中で、知り合いに紹介された弁護士が交通事故に強くなかったときが問題です。

実際、知り合いに紹介された弁護士に相談したあとは、他の弁護士に依頼すると言いにくいです。

また、後遺障害(賠償金を得るために必要な認定)の申請で高度な専門知識を必要とする場合は、弁護士によって結果が大きく変わってきます。後遺障害には等級が存在し、どの等級なのかによって賠償額が数十万〜100万円単位で変わることも珍しくありません。

そのため、知り合いから弁護士を紹介された場合は、前述したリスクを十分に考えてから依頼するようにしましょう。

後遺障害が却下されると2回目以降は難易度が高くなる

交通事故によるケガが完治しなかったとき、後遺障害として申請することができます。1〜14等級ある後遺障害に認定されると、各等級に応じた慰謝料が支払われます。最も症状が軽いとされる14級でも、弁護士があいだに入って交渉することで110万円の慰謝料が増えるのです。

そのため、後遺障害の申請は慎重に進めていく必要があります。しかし、交通事故に詳しくない弁護士に依頼してしまうと、後遺障害として認定される可能性が少なくなってしまいます。

仮に、後遺障害として認定されなかったときは「異議申し立て」といって、再度申請ができる制度があります。とくに回数の制限がないため、納得のいかない結果であれば何回でも後遺障害の申請ができます。

ただ、後遺障害申請では最初の一回目が非常に重要です。それは、異議申し立てをして結果が変わる確率が非常に低いからです。一度出された結果を変えるには、かなり強い根拠を持ち出さなければいけません。

例えば、むち打ちで後遺障害の申請をしたものの、後遺障害として非該当だったとき、画像などで神経へのダメージを客観的に証明できなければ再申請をして通ることはありません。要は、他人が見て明確に交通事故による障害だとわかるものです。

資料が不足していたり医師の診断書に不備があったりしたときは、かなりの確率で後遺障害として認定されるのは難しいのが現状です。そのため、異議申し立てをしても結果が変わることは5〜6%といように、かなり低い確率となっています。

以上のとおり、後遺障害の申請をするときは信頼できる弁護士に依頼しなくては泣き寝入りしてしまうリスクが高いです。知り合いに紹介された弁護士に依頼して、無駄に時間が経過するのは被害者にとっていいことはありません。

もし、知り合いの紹介で依頼した弁護士が頼りないときは、思い切って他の弁護士に変えることを視野にいれていきましょう。

優良弁護士を自分で探す方法

自分で弁護士を探すといっても簡単ではありません。普段から弁護士と関わる機会がなければ、何を基準に選んでいいかわからないはずです。

納得のいく形で示談するためには最初に依頼した弁護士が大事になってきます。弁護士選びで失敗しないために、理解しておかなくてはならないことを以下にまとめました。

ホームページだけで判断してはいけない理由

今の時代、知り合いの紹介以外で弁護士を探す手段としてはインターネットが挙げられます。そのとき、ホームページの内容だけで判断してはいけません。

基本的にホームページのデザインと文章は業者が作成しています。そのため、本当に交通事故の知識が豊富かどうかはわかりません。実際に話してみて、他の弁護士事務所と対応を比較してみるのもいいです。

ただ、巧みな話術がある弁護士であれば優良弁護士か悪徳弁護士かを見極めるのは困難なはずです。このとき、交通事故に強い弁護士かを見極める材料として「情報発信」があります。ブログなどで、後遺障害の等級獲得の最新情報などを定期的に発信している弁護士であれば、交通事故に詳しい確率が高いです。

まずはサイトのデザインだけでなく、個人が発信している情報に注目してみるといいです。

交通事故に強い医療機関に紹介してもらう

交通事故に関する知識のない人が直接、弁護士と相談してから判断するのも一つの手段ですが、実際のところ交通事故に強いかどうかを見極めることは非常に難しいです。

そこで弁護士選びに失敗するリスクを減らす手段として、交通事故に詳しい医療機関に聞く方法があります。交通事故によるケガを多く扱っている病院や整骨院であれば、自然と交通事故に強い弁護士に詳しくなっていきます。

交通事故に特化している病院(整形外科)や整骨院であれば、積極的に弁護士の見極め方を聞くといいでしょう。交通事故被害者をサポートする体制が充実している医療機関であれば、弁護士と提携している可能性が高いです。

医療機関からの信頼が厚い弁護士事務所であれば、知り合いの紹介やホームページから探すよりも弁護士選びで失敗するリスクは低くなります。

費用が明確であること

優良弁護士を見極めるポイントとして、費用がわかりやすいことが挙げられます。交通事故で弁護士に依頼するときは自分が加入している任意保険を最初にチェックする必要があります。

このとき、「弁護士費用特約」というプランに加入していれば保険会社が弁護士費用を300万円まで補償してくれます。後遺障害の等級に影響せず、保険料も上がることがないので安心して使うことができます。

注意点としては、弁護士費用300万円より費用が掛かると自己負担が発生することです。ただ、基本的には弁護士費用が300万円を超えることは非常に少ないので心配ありません。

優良弁護士であれば最初の段階でトラブルの状況を見極め、費用の心配をする必要がないことを丁寧に伝えてくれます。

また、弁護士費用特約に加入していない場合でも、トラブルの程度によっては弁護士に依頼した方がいい案件も多いです。そのときは、「着手金なし」「完全成功報酬」で受け付けてくれる弁護士であれば、被害者のリスクは最小限で済みます。

弁護士費用が発生してでも依頼した方が被害者にとってメリットが大きいか、弁護士に依頼せず進展させた方がいいのかを明確に教えてくれる弁護士を選びましょう。

弁護士を変えるときの手順

弁護士を変えるとき、信頼できる人が見つかってから動きだすようにしましょう。

いま依頼している弁護士を変えるときは、まず弁護士に依頼を中止する連絡をする必要があります。このとき、解約する書類を送ってくれるので、記入して送り返します。直接連絡するは億劫だと思いますが、勝手に弁護士事務所を変えて進めてしまうと、後々トラブルになるので気をつけましょう。

たとえ知り合いから紹介された弁護士であっても、対応に納得がいかなければ依頼をキャンセルするべきです。交通事故は示談をしたとき補償が打ち切られます。そのため、将来的に掛かる医療費を確保するためにも賠償額は重要です。

本来なら取れた賠償額について、弁護士が交通事故に詳しくないことで得られなければ一生後悔します。信頼できる弁護士が見つかるまで諦めていけません。示談が成立する前に交通事故に強い弁護士を探す努力が必要です。